No.049

目詰まりしらずの多重円板外胴型スクリュープレス脱水機

排水 汚泥処理

栗田工業/KCRセンターの池上です。多重円板外胴型スクリュープレス脱水機は、多重円板式脱水機とスクリュープレス脱水機の特徴を併せ持った脱水機で、可動式と固定式の薄い円板が交互にいくつも並んだろ過部の中に、一定速度で回転するスクリューが組み込まれた構造になっています。基本的なろ過の原理は、スクリューの回転に伴ってねじ山部分が可動板を順番に押し上げることで、固定板との間にできるすき間から汚泥の中の水が排出されるというしくみです。

解説

多重円板外胴型スクリュープレス脱水機は、多重円板式脱水機とスクリュープレス脱水機の特徴を併せ持った脱水機で、可動式と固定式の薄い円板が交互にいくつも並んだろ過部の中に、一定速度で回転するスクリューが組み込まれた構造になっています。基本的なろ過の原理は、スクリューの回転に伴ってねじ山部分が可動板を順番に押し上げることで、固定板との間にできるすき間から汚泥の中の水が排出されるというしくみです。

可動部の動きで目詰まりしない

多重円板外胴型スクリュープレス脱水機は、前半部と後半部に機能が分かれ、前半の濃縮部では、スクリューのねじ山に押されて可動板が動くことによって生じる固定板とのすき間から効率的に水が分離されます。そして水分がなくなり、汚泥は濃縮されながら、スクリューの回転によって装置の後方に運ばれていきます。この装置の可動板や固定板と、スクリューの間の容積は、先に行くに従って除々に小さくなっています。つまり装置の後半部分では、汚泥に圧搾力が働く形となり、これによって脱水が完全に行われる構造になっています。さらに可動板の働きによって汚泥粒子間にはズレが生じ、粒子の間に存在する水も同時に排除されます。ちなみにろ過部の可動板と固定板のすき間は、濃縮部で0.5mm、脱水部で0.3mm、0.15mmとケーキ排出口に向かうほど狭くなっています。この脱水機では、ろ過部を貫くスクリューのねじ山によって可動板が常に動かされているため、ろ過部で目詰まりが起こらず、洗浄水は不要となります。なおこの脱水機は、とくに沈殿池を設けない小規模下水処理場に適しているほか、産業排水汚泥などおもに曝気槽から直接引き抜いた、低濃度で濃度変化の少ない余剰汚泥にも対応が可能となります。

多重円板外胴型スクリュープレスのしくみ

用語解説

スクリュー

ネジ形コンベヤーのこと。

CHECK POINT!

  • 多重円板外胴型スクリュープレス脱水機は、多重円板式脱水機とスクリュープレス脱水機の特徴を併せ持っています。
  • ろ過部の空隙で目詰まりが起こらず、洗浄が不要です。
KCRセンター池上徹

解説者

栗田工業株式会社
KCRセンター

池上徹

出典:よくわかる水処理技術(株式会社日本実業出版社発行)

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